Ⅱ.こだわりのデザインリフォーム、 安全・安心のバリアフリーリフォーム

Ⅱ-① 知らねばならないリフォームの基礎知識 ~その1~

 ひと言でリフォームと言っても様々なタイプのリフォームがありますが、大きく分類すると4種類に分けることができます。
「増築」:新しく部屋を作る、建物自体の面積を増やす。

「改築」:建物自体の面積は増やさずに間取りなどを変更する。

「改装」:建物自体の面積を増やすことなく、内外装のみを変更する。

「補修」:古くなって、傷んでしまった箇所のみを補修する。
つぎに、場所別リフォームのポイントを順を追って見てみます。
①屋根、外壁:屋根材には、和瓦、セメント瓦、カラーベストなどがあります。和瓦は、耐久性に優れていて30年から50年近く持ちます。セメント瓦は、10年に一度は塗り替える必要があります。カラーベストは、耐久性は高いが色褪せしやすく、10年後には塗り替えをする必要があります。つぎに外壁のリフォームですが、一般的には、モルタルの壁を塗り直す、モルタルの上に新しく外壁材を貼るなどの方法があります。

②玄関:玄関のリフォームが必要な原因として、土間の部分は水に濡れたり汚れやすくなり、床は古くなって擦り減ってくると滑りやすくなることも多く傷みやすいのです。玄関を使いやすくするために可能ならば、玄関収納を設けるなど、玄関隣りの部屋を若干狭くしてでも、玄関スペースを拡げるリフォームをお薦めします。

③リビング:リビングの内装は、できるだけ奇抜な色使いは避け、やさしい雰囲気を作り出すような工夫が必要です。さらに、夜の使用も長く、広さもありますので、省エネタイプのLED照明器具にされると電気代の節約になります。

④キッチン:キッチンは家事の一番大事な場所であり長時間働く場所でもありますので、動きやすくて使いやすい、明るく快適な空間をつくる事が大切です。特に、多様な収納スペースを作りたい場所です。

Ⅱ-② 知らねばならないリフォームの基礎知識 ~その2~

⑤浴室:浴室は、家の中でも最もリラックスできる場所の一つです。リフォームの方法は、在来工法にする場合とシステム(ユニット)バスにする方法があり、現在はシステムバスが主流になっています。

⑥洗面所:洗面化粧台のグレードが価格を大きく左右します。設置場所を変更する場合は、給排水管などの移動や電気配線工事を伴います。

⑦トイレ:最近は、洋式の節水型、タンクレスなどが好まれる傾向にあります。ご高齢者には、和式トイレよりも洋式の方が様々な点で優れています。これら、浴室、洗面所、トイレなどのサニタリースペースのリフォームは、別々に行うのではなく同時に行う方が、工期、予算の両面でメリットがあります。

⑧廊下、階段:将来、高齢になって身体の機能が衰えたときに備えておくようにしましょう。廊下は車椅子が通れるように750㎜(自走用車椅子の場合は 950㎜)以上に広げます。階段は、勾配を緩やかにする、踏み面を広くしておくことが望ましいです。⑨寝室:寝室は、確かな睡眠をとる場所ですので、照明と窓に配慮します。壁紙やカーテンは彩度の低い同系色で落ち着いた空間にまとめ、天井は、壁よりも少し濃い目のベージュ系を選ぶと部屋全体が優しく落ち着いた雰囲気になります。壁には、健康建材と呼ばれる珪藻土や漆喰、エコカラットなどを使うことにより、調湿・消臭などの効果をもたらしてくれます。

 

Ⅱ-③ 美リフォームを目指して

詳細説明は割愛しますが、まずは、いくつかのポイントを述べさせていただきます。
・古道具や和道具を使う ・香りを楽しむ ・お気に入りの絵や写真を飾る ・キッチンをLDKの中心位置に ・タンクレスでトイレ空間を広げる ・床・壁・天井等の可能な部位への断熱材を ・天井が高く、壁一面収納の本棚に ・インナーテラスなど、外を感じる住まい
・好きな色を大胆に使う。部屋ごとの役割に応じた配色をする。(家族の皆が好きな色を使う。基本は一つの空間、3色で。色の三属性(色相・明度・彩度)を学び、色彩の心理・生理効果(寒暖感、硬軟感、距離感等)を知って、部屋ごとの配色に生かす。)
・壁には積極的にデコレーションを。(室内均一の壁材ではなく、一面だけ、ガラス・エコカラット・布や紙製の壁紙・漆喰や珪藻土等の塗り壁など。)
・冷蔵庫をキッチン以外にLDにも。(キッチンの冷蔵庫には食材を、LDの方には、直ぐにいただける飲料と食べ物を。便利になり家族が喜びます。) 
・多くの方が退職されている団塊世代以上の男性には、孤楽室(一人で読書や趣味の時間を過ごす空間)と互楽室(ご近所の高齢者同士が集って、お茶を飲みながら話し合ったり、つまみを持ち寄って共に晩酌を楽しむ空間)が必要なんです。(そんな空間なら、ご婦人にも必要?)

 

Ⅱ-④ バリアフリーリフォームのこと

安全・安心・快適な住まいづくりを。「備えあれば憂いなし」で、50歳代をから早めに計画しましょう。
・下地を補強し、手すりの取り付け ・床段差の解消、床の段差には、はっきりとした色使いで気付きを与える  ・床材料の変更(滑りの防止、移動の円滑化) ・扉の取り換え(建具はドアから引き戸に) ・便器の取り換え(和式トイレは洋式に)  ・日常の主な生活空間はワンフロアに ・リビングの一角に畳スペースを ・介護保険は、うまく使いましょう
・人の視力は年齢を重ねるごとに低下していきます。モノを正確に見るためには、60歳代では20歳の3倍以上の明るさが必要になってきます。ご高齢者がおられるご家庭は、光源の光束や照度に留意しましょう。
・ご高齢者は自宅内で過ごす時間が多くなります。移動時や生活行動にバリアが全く無い住まいは、筋力の衰えを招きます。廃用症候群(disuse syndrome:体や筋力を使わない状態が続くことによる、身体機能や精神機能に現れる病的な症状。生活不活発病とも言われます。)にならないためのバリアフリーリフォームを心掛けたいものです。(安全面を担保しながらも筋力の衰えを極力防ぐ、バリアの残し方が大切です。)